宿題

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初めての宿題

転校して初めての宿題は先祖がどこから来たのかを調べることだった。
いつ頃どんな風にアメリカに渡って来たのかを調べ、その国の国旗を描くのだ。
これってすごくアメリカらしい宿題だと思う。 日本でこんな宿題を出したら意味がない。もしかしたらクラスに一人くらいは中国や韓国と答える人がいるかも知れないけれど、全員日本人だったら全然面白くない。

世界地図に子供たちの顔写真と国旗を張り付け出身の国と毛糸で結んだら、 くり坊のクラスはアイルランドからの移民を先祖に持つ子が多いということがわかった。
他にはフランス、イギリス、ロシア、スペイン、ベトナム、フィリピンなどだった。
ベトナムの子の両親はベトナム戦争の時に難民になってアメリカへ渡って来たそうだ。
クラスに黒人の子がひとりいる、その子はアフリカの国を書くのかと思ったらアラバマになっていた。奴隷としてアメリカへ連れてこられたなんて絶対に認めたくないんだろうなぁ、なんか歴史を肌で感じるなぁ、とこの答え方に感心して世界地図を見ていたけれど、その子の先祖が本当にアフリカから来たのかはわからない。

地図に張り付けたくり坊の顔写真、間に合わなくて生まれたばかりのちゃんりーをだっこしているのを貼ってもらった。


親掛かりの宿題

英語ができないから宿題をやらなくてもいいとはだれもいわないけれど、2年生の途中から転入したくり坊には宿題はほとんどでなかった。
ところが3年生になったら他の子たちと同じ内容がどさっと出るようになり、算数以外、ほとんど私といっちゃんが交代で手伝った、というより交代でやった。

一番困ったのが社会科、ソーシャルスタディーと呼ばれていて3年生ではインディアンについて勉強する。教科書を読んで単元の最後についている質問に答えるというもの。
インディアンについては「インディアン、うそつかない!」ってくらいの知識しかないので、読んでいてもさっぱりわからない。
辞書を引き引き、へーそうなんだァと感心することばかり。
くり坊に教科書に書いてあることを説明して、私かいっちゃんが作った英作文をくり坊の字で丸写しするということが続いた。


さんすう

英語のできないくり坊にとって、算数は唯一自信を持ってできる教科である。計算問題のプリントはいつも100点に近い点数ばかり!日本の算数のほうが進んでいるので補習校で勉強したものを現地校で復習しているといった感じだ。
3年生の時にはかけ算の九九と二ケタのたし算引き算をやっていた。
ところがこんな簡単な内容でも文章問題になるととたんにわからない。まず読めない。そして親も算数用語になるとわからない。やっぱり辞書を引き引きになってしまう。

成績表では当然のようにAが取れると思っていたのにB止まり。
やっぱりどんなに計算問題ができても文章問題が出来ないから取れるばずの成績がとれないんだぁ。悔しいけど今の段階では仕方がない。



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